別館 魑魅魍魎

卒業と春の嵐と

2018年3月末。ワンダーウィード 牛居ひかりの卒業ライブがあった。ワンダーウィードの中では一番好きな子で、推しで、お気に入りだった。ワンダーウィードのステージを初めてしっかりと見たとき、一発で釘付けになった。いきいきとした表情、力強いパフォーマンス、少し癖のあるボーカル、見た人を前向きな気持ちにさせるオーラ…ライブアイドルに求める要素すべてを持っていた。彼女の、ややもすれば突拍子もない自由な言動は、笑いを誘ったり、時に周囲を呆れさせたりしていたが、一方でステージに対して真摯に取り組む姿勢は本物だったし、自由さと芯の強さを兼ね備えた、そんな姿に憧れたりもした。俺の中では牛居ひかりはアイドルではなく、ヒーローだった。

卒業ライブは最初から最後まで本当に楽しくて。今まで見たワンダーウィードのライブの中で間違いなく一番楽しかった。ライブ後の特典会で彼女と交わした言葉、その表情はきっと忘れないだろう。


閑話休題。松川舞が5月3日に引退する。おしゃべりという一言では済まされない、クセのあるアイドルだった。推してもないし、コールしたこともないし、ピンクのサイリウムを振ったこともないんだけど、なぜか面白がってくれて、そこそこ話すようになった。
火曜日FRIDAY!!という曲がある。松川がメインボーカルの曲だ。CoverGirlsは初期の頃からかなりのメンバーが抜けたこともあり、その曲をメインで歌っているメンバーがすでに卒業してしまっていることがままある。(今は他のメンバーに引き継がれて歌われていたりする。)しかし、この火曜日FRIDAY!!は当初から松川のメイン曲であったから、音源にも松川の声が入っていて、「ライブで聴いたのと同じだ」と嬉しく思ったことがあった。それももう聴けなくなると思うと、やはり寂しい。


ヲタクは身勝手だ。勝手にいなくなったりするくせに、いざ卒業だとなったら「寂しい」だなんて口にする。身勝手極まりない。身勝手極まりないんだけど、俺は寂しいんだよ。