カニョン探偵事務所/TRANSQUID その1

(前作「カニョン探偵事務所/海鼠銃」からの続き)



大変だにょん!新しい事件が起こったにょん!
今回は最後まで解決に導けるか とっても心配だにょん…

(「やめるのれす!やめるのれす!」)
サキの心の叫びは この非情の猟人には届かなかった
身体を縛り上げられ 目隠しされて 暗闇の中 恐怖で声が声にならない
(「ムグググ…何をするのれす!変なモノを口に突っ込むのはやめるのれす!」)
ヌルヌルと生まれて初めて感じる"触感"がサキの口いっぱいに満たされた
敗北感と吐き気で自然と涙が頬を伝った
猟人はそれでも一切の手加減をしなかった
その"モノ"はサキの喉の奥の奥まで容赦なく深く侵入してくる
サキの口からはダラダラと唾液が垂れ流され始めた
(「く 苦しい…い 息が出来ないのれす…自分が自分ではなくなってくるみたいなのれす…」)
しかし"作業"は淡々と続けられた
(「もう駄目だ…」)と思った そして サキは"希望"なんていう当てにならないものを捨てた
この猟人の"行為"が全て終わるのを黙って待つしか
もう手立てはないと悟った…

…こんな事が起こっていたとは この時にょんはまるで知らなかったにょん
何故なら これは にょんの知らない所で起こっていた事だったからだにょん


その朝 いつも通りの朝寝坊で事務所のドアを開いたにょん
そうして いつも通りに秘書のチャチャ・ルルーが仁王立ちを…してないにょん
その代わり チャチャが受付のデスクに座って 誰かと談笑している姿が
にょんの目に映ったにょん
ん?おかしいにょん チャチャは にょんに対してこれまで一度も見せた事のない"女の顔"を
話し相手に見せているにょん!その光景をもの珍しそうに眺めていたにょんの存在に
二人は漸く気がついたみたいだにょん
「遅いぞ!カニョン!もうお昼を過ぎてるじゃないか!」
嫌な予感が的中したにょん その話し相手は にょんの幼馴染 コドモ・ノ・ユウカだにょん
「ユウカ 何の用だにょん?例の写真なら もう処分したにょん!」
「例の写真?…ああ あの事か…カニョンがあれで何かするとは思ってないから」
「カニョンを信用するのかにょん?」
「まあね…それに世間様が この将来有望の青年実業家 コドモ・ノ・ユウカと
"アイドル兼しがない私立探偵"のカニョン君の言葉とでは 一体どちらを信用すると思う?」
「………」

「冗談だよ!別件で訪ねて来たのさ 本当はね サキ・ナノレスの事なんだ 昨日 お前さんの
所に行くと言ったきり こっちに顔を見せないから心配になったんだ
カニョン 何か知らないかい?」
「あのクロンボとは会ってもいないし 大体カニョンに何の用があるっていうにょん?」
「それを聞いても答えなかったんだよね… ミス・ルルーは?」
チャチャ・ルルーは何も言わず首を左右に振ったにょん
「おかしいなあ 何もなければいいんだけど…」
「心配ないにょん あの野生児なら例えジャングルに放り出されたって一人で
生きて帰って来るにょん」
「ハハハ それもそうか…まあさ 奴を見かけたら連絡してくれよ!」
「分かったにょん」
ユウカは良い香りを残して事務所を出ていったにょん
にょんは自分のデスクに座り 引出しからカメラを取り出して全データを削除したにょん
あの件でユウカを強請るつもりだった…けど もうやめるにょん…