カニョン探偵事務所/TRANSQUID その11

にょんは伸びている"怪物のサキ"に向かって叫んだにょん
「"怪物のサキ・ナノレス"敗れたり!これがフィニッシュだにょん!」
にょんは駆け足で 伸びているサキの怪物に近づき リー・ホー・サヤシの教え通り
その口の中に『海鼠銃/速射9』を突っ込んで 間髪入れずに夢中で九擦りしたにょん
合計八十一連発の白い粘着液がドクドクと怪物の体内に飲み込まれていく感触が
『海鼠銃/速射9』を持つ手にしっかりと伝わってきたにょん
『海鼠銃/速射9』の瞬く間の八十一連射が終わると…
…怪物の動きがピタッと止まって…
その数秒後 怪物の全身はブルブルと痙攣し出し…
一瞬の沈黙があって…


突然 "怪物のサキ"は身体中の穴という穴から黒い液体を間欠泉のように
にょんもよけきれない程の勢いでドバーッと81た(吐いた)にょん
結果 にょんの全身も真っ黒に…せっかくの「天使の羽根」も"BLACK version"へ元通りに
なってしまったにょん
もう液も出尽くしたと思われる頃 怪物の口から20センチ程の"黒い一物"がポトリと
吐き出されたにょん
"黒い一物"は烏賊そっくりの姿だったにょん
(「これが今回の事件の元凶かにょん?」)
にょんの"探偵の勘"がそう訴えかけてきたにょん
にょんは胸にその"黒い一物"をしまい込んだにょん

それからは まるで御伽噺を見ているようだったにょん
魔法が解けたように 怪物の表皮はドロドロと溶け出し やがて その中から
"人間のサキ・ナノレス"が姿を現したにょん
にょんは元に戻ったサキ・ナノレスを両膝をついて上半身だけ抱き起こしたにょん
咳き込むサキが今にも泣き出しそうな顔をして 力のない声で喋り出したにょん
「ゴホッ ゴホッ…ひ ひどいのれす …気を失っている間に 口に突っ込んで発射するなんて…
…卑怯なのれす…」
「サキ!大丈夫かにょん!」
「…ツラかったのれす…カニョン…早く助け出して欲しかったのれす…」
「悪かったにょん!悪かったにょん!」
何故だか急に堪らなくなったにょん…にょんはサキをギュッと抱き締めたにょん

「ゴホッ ゴホッ…ウフフフ…カニョン…知らない内にずいぶん太ったれすねー…ンフフフ…」
「サキ やめるにょん!今喋るのは身体に毒だにょん!」
「…はい…これを…カニョンに渡したかったのれす…ゴホッ ゴホッ」
と サキは にょんの目の前に力なく右手の拳を差し出したにょん
いつ取り出したのか そこには黒く濡れてグチャグチャになった一枚の紙が握られていたにょん
「…『エッグ・ダンサーズ』リニューアルオープン記念パーティー 招待状…」
にょんは ほとんど消えかかっていた紙の文字を目を凝らして読み上げたにょん
「直接渡したかったのれす…大切な日だったから…」
「もう良いにょん! 必ず行くにょん! だから しっかりするにょん!」
「カニョン…今日はすっごく寒いれすねえ…」
サキの顔が真っ青なのが 夜空の下でも良く分かったにょん

…やり過ぎた…にょん
"怪物のサキ"と思って喰らわせた睡眠薬の量は"人間のサキ"には明らかに多過ぎたにょん
「…ねえ カニョン…サキはキョーレツに眠いのれす…このまま眠ってしまったら…
…二度と"オッハー"出来ないかもしれない…」
「サキ!サキ!寝ちゃ駄目だにょん!」
「カニョン…カニョンの方こそ…寝坊しちゃあ…いけないのれす…ウフフフ…」
サキはうわ言のようにそう呟くにょん
「サキ!笑うにょん!ガキンチョの頃 みんなで撮った『変顔の写真』を 思い出して笑うにょん!」
サキは無理に笑顔をつくって見せたにょん
それは "あの頃の"とちっとも変わらない笑顔…だったにょん
「そうだにょん!その顔がサキにはお似合いだにょん!」
(「救急車!」)と思った時 不意に眩暈がしたにょん
にょんはリー・ホー・サヤシのアドバイスを勘違いしていたにょん!
彼女が「貰わんように」と言ったのは「釣られないように」という意味じゃなく
「撃った本人も海鼠銃の弾丸を浴びないように」という意味だったんだにょん
まずいにょん! 二人共 ここでぶっ倒れてしまったままだったら…
…どうなるにょん?